眼鏡産業活性 ~福井県鯖江市~(後半)

今回は身近にある理科「眼鏡」の後半です。100年以上の歴史ある眼鏡産業がこれからどのように変わっていくのかを少しだけ覗いてみます。前半の様子はこちらよりご覧ください。(こちらをクリック!)
次は電脳メガネサミット(イベント)について。前半でご説明した通り、福井県鯖江市は世界に誇る眼鏡の産地です。現在は加えてITを推進することで、伝統と現代の調和がとれた”眼鏡とITのまち「鯖江」”を目指しています。例えば、公衆無線LANの設置、UstreamやYouTubeでの映像配信のインターネット放送局の整備などITを用いた住民福祉の向上に努めています。では電脳メガネサミットとは。
2007年にNHK教育テレビで放映されたアニメ「電脳コイル」。この中に出てくる電脳メガネやAR(仮想現実)は視聴者を虜にしていきました。特に電脳メガネはアニメの設定として情報端末として近未来の子どもたちのマストアイテム。そしてアニメの舞台である大黒市は古い街並みが残る最新の設備がある電脳都市(地方都市)。鯖江市が目指す方向性に大変似ています。さらに2012年4月、googleより発表された電脳メガネ「Project Glass」は多くの方を魅了しました。ヘッドマウントディスプレイの登場以降、眼鏡はアイウェアからウェアブルコンピュータへと進化を遂げようとしています。(眼鏡はどこまで発展するのでしょうか)さまざまな環境が整い、鯖江市では、IT推進フォーラム「電脳メガネサミット」が開催することとなりました。
イベントの前半は電脳コイルの世界観や鯖江市との共通点などに迫った対談。中盤は一般公募した電脳メガネを使った使い方コンテスト。後半は市長や関係者を交えた電脳コイルサミット。前半では電脳コイルの世界観や鯖江市との共通点などに迫り、中盤はヘッドマウントディスプレイの活用アイディアのプレゼン、後半は眼鏡とITに関する内容で、眼鏡とITという一見遠い産業が融合すると「未来」につながると実感しました。その後調べてみると鯖江市には福井高専があり若手が育つ環境に加え、職人やIT技術者もいるエンジニアの都市。未来の鯖江市はどのようになるんでしょうか。これからの発展が楽しみです。
最後を飾るは田中眼鏡さん。ここでも数多くの眼鏡があり、店主の田中幹也さんは顔の形や性格、職業にあった眼鏡をご用意頂けます。人の心理を瞬時に読み取り次から次に素敵なフレームをご提案。その動き、まさに職人。さらに魅力的なのはそのフレームのほとんどは福井県鯖江市で作られたもの。魂を感じます。僕も最終に買ったものは前半の最初に出てくる眼鏡を購入しました。蝶番がチタンで錆びず特殊加工がされ特許取得したものでした。掛け心地も重要で最後耳の後ろの当たり具合まで調整して頂け細部に至るまでの配慮。まさに職人。本当に一生もんを手に入れることが出来ました。ありがとうございます。
【まとめ】
技術を極めた後の育成まで一貫した都市づくりが成功した事例を自分の目で見ることが出来ました。そして「伝統は形を変え進む」。鯖江市だけでなく他の都市でも下火になる前に次の新しい一手を市民全体で考え動いて現在に根付いていることにも気づくことが出来ました。また日本で生まれたものを身に着けたり使ったりすることで、ユーザーとして伝統が応援することが出来ます。最後に「伝統」+「IT」という組み合わせをこれからも全国で見つけていきたいと思います。
【参照】
電脳メガネサミット
【取材日】
2012年8月
【御礼】
今回チーム佐賀県として同行させて頂きました。チーム佐賀県の皆さん、鯖江市でお会いできた皆さん、この場を借りて御礼申し上げます。モノづくりの精神を今後も伝えて行きたいと思います。これからも応援していきます。
TAGS: めがね・サミット・メガネ・世界・伝統・佐賀県・技術・理科・田中眼鏡・眼鏡・福井県・電脳・高専・鯖江市 | 2013年1月11日