「現実拡張工房」「ASIMO」「稲見研究室」に行きました!

2013年7月3日(水)に日本科学未来館メディアラボ第12期展示「現実拡張工房」に行きました。以前より情報機器と通じた表現に興味があり、東京出張する度、日本科学未来館3F常設展示「メディアラボ」に行くようにしています。
常設展示「メディアラボ」は、先端情報技術による表現の可能性を、定期的な展示更新を行いながら紹介していくスペースです。第12期となる今回は、コンピュータなどの情報機器、コンテンツ、人間のコミュニケーションの融合の可能性を研究するJST CREST「共生社会に向けた人間調和型情報技術の構築」領域の研究を紹介します。会場は、物理現象で支配されている音や色といった「現実」を、情報技術で「拡張」する「工房(スタジオ)」です。例えば、床に映る影の色や、カーペットに残る足跡など、見慣れた当たり前の現象に情報技術の力が加わると、今までと全く違うものが見えてきます。「物理(モノ)×情報(コト)×人間(ヒト)」のバランスから生み出される新しい感覚をお楽しみください。
(日本科学未来館参照)
まずはエントランスのご挨拶や出展者である東京大学の苗村教授のご説明。
「Graphic Shadow(グラフィックシャドウ)」
白く塗られた床の上を歩くと、黒い影でなく緑や赤色が混ざる影!うーん、おかしい。何回歩いても黒色じゃない。ここに書かれている解説によると、色の三原色(RGB)を上手く調整し床面を白く見せていて、その上を歩いても黒い影にはならないのです。おぉー、最初のコーナーから驚きです。影は黒色が当たり前と思っていた自分がいたのですが、ここは情報技術で拡張された世界。徐々に慣れるしかありません。
「MorPhys(モーフィス)」
不思議な立体物。どうやら中に入ると、巨大化してヒトの動きに合わせて動く立体物だと解説に書かれました。よくよく読むと「スチール製の巻尺」にモーターを使って伸縮をし、センサーによってヒトに合わせて動く仕組みのようです。これが建築物だとすると、日向や日陰に移動する時に一緒に移動できれば、こんなに便利なことはありません。ドラゴンボールのホイポイカプセルみたいに変幻自在な建物の時代が早く来てほしいものです。
「Thermo-key(サーモキー)」
僕は小さい頃よりカメラを見るとすぐ映りたくなる癖があります。目の前にあるカメラにうかつに入ると、カメラの上に設置されたスクリーンに映ってしまいました。よく見るとあれ?エフェクトがかかっている!不思議に思い解説を見ると、この秘密は「温度」。このエフェクトの他にサーモグラフィのように映ったりもしました。2000年の作品でも新しさを感じました。他のエフェクトでも楽しい仕掛けが出来そうですね。(不思議に思って10分ほど、カメラの前を独占してしまいました)
この他に、床に特殊なインクが残る「Photochromic Carpet(フォトクロミック カーペット)」、ブロックの上を駆け回る「でるキャラ」、お絵かきの「音」が増幅される「EchoSheet(エコーシート)」など、情報技術を用いて現実を拡張する研究作品がありどれも子どもも大人も夢中になるものばかり。身の回りにあることを不思議に思い、そこに条件を加えることで現実を大きく変えることが出来るかもしれません。可能性を感じることが出来た展示でした。
「ASIMOの実証実験」
この「現実拡張工房」のオープン7月3日に合わせ「ASIMO実証実験」も開催していました!ここではASIMOとコミュニケーションしている来館者の音声や映像を記録していて、記録を実証実験の研究に使われるそうです。実施時期は2013年7月3日(水)~8月2日(金)のうち平日のみ ※7月15日(月・祝)・7月29日(月)は休止。夏休みに日本科学未来館に行く際は是非体感してみてください。ASIMOは来館者としっかりコミュニケーションとれていて、見ている僕も本当に楽しかった!
「KMD稲見研究室(日本科学未来館)」
日本科学未来館は展示場やプラネタリウムだけでなく、研究施設があることをご存知でしょうか??(日本科学未来館 研究施設)今回はKMD稲見研究室の小泉さんのご厚意により研究施設に伺いました。お引越し中ということですが、ガラス張りの外側からのぞくとリビング・・・。ただのリビングではなく、しっかりとしたリビング。もはや研究室ではありませんね。
そして・・・ハンモック。もはや研究室ではありませんね。と、小泉さんにお尋ねすると、リビングラボ東京プロジェクト「柔軟物コンピューティング基盤の研究開発」を行う研究室だそうです。その中でも最近は「睡眠」をテーマにした研究をはじめたそうで、詳しくはこれからということでそれも楽しみです。この他にも研究の裏話や「理科ファン」のこと、先日ご結婚された時のお話など、小2時間のあっという間でした。また近くにいく際は研究の進捗など、伺ってみたいものです。
リアリティメディアという考え方も言葉も大好きです。こんな感覚で仕事ができたらと日頃から思います。
KMD Reality Media Project では,人の「生理」に根ざして生じる現実感に着目し,自らの手足のように自在に用いることができるメディア,楽しめるようなメディアを設計,開発しています.ハードウェアが「物理」,ソフトウェアが「数理」に基づいて設計されているように,「現実感」は人の「生理」に根ざして生じます.人間は,感覚器を通して情報を取得し,大脳による情報処理を経て世界を理解し,筋肉を通して世界に働きかけます.そこで,視覚,聴覚,触覚,嗅覚,味覚と呼ばれる五感をはじめとする感覚・知覚,および筋肉による運動という人間の入出力機能の特性に根ざし,現実感を生み出すシステムについて研究しています.
「まとめ」
感性を研くには五感が大切だと思います。「見て」「聞いて」「触って」「食べて」「嗅いで」を色んな場所で楽しむこと。意識する必要はないけど、普段からいろんな体験をすることで、たくさんの気づきにつながりますー。これから学生は夏休みが始まると思いますが、たくさんの楽しい経験をしてくださいね。
最後になりましたが、下の写真は日本科学未来館の研究棟から展示棟を撮影したものです。(少し自慢です)モノゴトは正面からだけでなく、たくさんの角度から見ると、楽しい発見ができます。
TAGS: KMD・リアリティメディア・慶應義塾大学・日本科学未来館・現実拡張工房・理科・稲見研究室 | 2013年7月12日